システム開発会社のプレスリリースネタ|取材される切り口と失敗例を比較

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システム開発のプレスリリースで「新機能リリース」は取材されないという事実

システム開発会社がプレスリリースを配信する際、最も多いネタは「新機能の追加」や「サービスのアップデート」です。しかし、驚くべきことに、これらのネタが大手メディアの取材につながるケースは極めて稀です。メディアが求めているのは「技術の凄さ」ではなく「そのシステムが社会の何を解決するか」という物語だからです。

株式会社CA CAMPANYでは、年間200社以上のPR相談を受け、取材獲得率80%以上を維持していますが、その中で確信していることがあります。それは、取材は偶然ではなく「設計」できるという点です。本記事では、実務者の皆様に向けて、取材されるプレスリリースと、スルーされるプレスリリースの違いを具体的に比較しながら、即戦力となるネタの切り口を解説します。

取材獲得率を左右する「視点」の比較

まずは、メディアに採用されるネタと、広告と見なされてしまうネタの決定的な違いを把握しましょう。

  • 取材されない例:「AIを活用した業務効率化システム『〇〇』をリリース。独自のアルゴリズムで処理速度が2倍に向上」
  • 取材される例:「深刻な人手不足に悩む地方の町工場向けに、熟練工の技術を可視化するシステムを開発。技術継承の課題をITで解決」

前者は自社のスペック紹介(プロダクトアウト)であり、後者は社会課題への解決策(マーケットイン)です。地方の中小企業の経営者や実務者が狙うべきは、後者の「社会性」を帯びた切り口です。

比較でわかる!システム開発会社が狙うべき5つのプレスリリースネタ

システム開発におけるプレスリリースネタを、よくある「失敗パターン」と、取材を設計した「成功パターン」で比較して紹介します。

1. 「最新技術」vs「伝統産業のDX」

最新のフレームワークや言語を駆使した開発は、エンジニア視点では魅力的ですが、一般紙やテレビの記者は興味を持ちません。むしろ、「ITとは無縁だった古い業界が、システム導入で劇的に変わった」というギャップがニュースになります。

  • 失敗:「最新のブロックチェーン技術を用いた在庫管理システムを構築」
  • 成功:「創業100年の老舗酒蔵が、若手エンジニアとタッグ。勘と経験に頼っていた発酵管理をデータ化し、廃棄ロスを30%削減」

2. 「多機能」vs「特定課題の解消」

何でもできる汎用的なシステムよりも、特定のターゲットが抱える「痛切な悩み」に特化したシステムの方が、メディアは「今、報じるべき理由」を見出しやすくなります。

  • 失敗:「あらゆる業種に対応可能な、オールインワン型CRMを発売」
  • 成功:「2024年問題に直面する運送業界専用。ドライバーの拘束時間を自動計算し、法令遵守をサポートする管理ツールを開発」

3. 「自社単独の発表」vs「産学官連携・共同開発」

一企業の経済活動としての発表は、どうしても広告色が強くなります。そこで、大学や自治体、異業種と連携した実績をネタにすることで、情報の公共性と信頼性が飛躍的に高まります。

  • 失敗:「自社開発の教育支援アプリを学校向けに販売開始」
  • 成功:「地元の国立大学と共同研究。不登校児童の『心の変化』をAIで検知し、教師の適切な声掛けを支援する実証実験をスタート」

4. 「製品スペック」vs「開発者の原体験」

スペック表を並べるのではなく、「なぜこのシステムを作らなければならなかったのか」というストーリーを前面に出します。特に地方の中小企業が、自らの苦い経験を元に開発したストーリーは共感を呼びます。

  • 失敗:「操作性に優れた、安価な勤怠管理システムをリリース」
  • 成功:「代表自らが過労で倒れた経験から開発。従業員の『隠れ残業』を見逃さない、優しすぎる勤怠管理システム」

5. 「導入実績の数」vs「劇的な変化を遂げた1社の事例」

「導入社数1000社突破」という数字も素晴らしいですが、メディアが欲しがるのは「具体的な1人の変化」です。数値的な実績と、定性的なエピソードをセットにしましょう。

  • 失敗:「累計導入社数500社を達成。シェア拡大中」
  • 成功:「倒産寸前だった地方スーパーが、在庫予測システムの導入でV字回復。ITが地域インフラを守った舞台裏を公開」

取材を確実に「設計」するための3ステップ

CACOMPANYでは、取材は運ではなく、以下の手順で設計できると考えています。実務者の皆様が今日から実践できるステップです。

ステップ1:社会のトレンド(時事ネタ)と自社を接続する

今、世の中で何が話題になっているかをリサーチします。「DX」「人手不足」「働き方改革」「インボイス対応」「生成AI」など、キーワードと自社のシステムがどう関わるかを言語化します。「自社が言いたいこと」ではなく「世間が知りたがっていること」に寄せるのがコツです。

ステップ2:具体的な「受益者」を特定する

システムを導入して、誰が一番喜んでいるかを明確にします。その「誰か」は、実在する人物である必要があります。記者は、システムそのものよりも、それを使って幸せになった「人」を取材したいと考えているからです。

ステップ3:取材可能性が低い場合は「勇気を持って断る」

CACOMPANYでは、取材獲得の可能性が極めて低い案件は、あえてお断りする誠実な姿勢を大切にしています。無理に配信してメディアからの信頼を失うよりも、ネタを磨き直す、あるいは別のPR手法を検討する方が、長期的な事業成長につながるからです。

よくある誤解:システム開発会社が陥るPRの罠

「プレスリリースを配信すれば、誰かが記事にしてくれる」というのは大きな誤解です。1日に何百通と届くリリースの中で、記者が目を通すのはタイトルで「社会性」を感じたものだけです。また、「大手メディアに載ればすぐに売上が倍増する」というのも過度な期待です。メディア露出はあくまで「信頼の土台」であり、そこから営業資料への活用や採用力の強化へと繋げていく戦略が必要です。

まとめ:システム開発会社こそ「物語」を語ろう

システム開発会社のプレスリリースネタは、スペックの比較ではなく、社会へのインパクトの比較で考えるべきです。技術はあくまで手段であり、目的は「社会を良くすること」にあるはずです。その志を言語化し、適切なメディアに届けることで、NHKや日経新聞といった全国メディアへの掲載も現実味を帯びてきます。

「自社のシステムには、どんな切り口があるのか分からない」「広報が属人化していて、再現性のあるPRがしたい」とお悩みの経営者や実務者の方は、ぜひ一度、戦略的な視点を取り入れてみてください。露出で終わらせず、事業の基盤を強くするPRを共に設計しましょう。

次のアクションへのチェックリスト

  • そのネタは、ITに詳しくない自分の親や友人に話して「すごいね」と言ってもらえるか?
  • そのシステムが普及することで、日本のどんな課題が解決されるか?
  • 導入企業の担当者が、実名と顔出しでインタビューに応じてくれるか?

これらの問いに自信を持って答えられるなら、それは素晴らしいプレスリリースネタになります。CACOMPANYでは、こうした「取材される設計図」を一緒に作り上げる伴走支援を行っています。まずは、現在のPR活動の健康診断から始めてみませんか。

広報に取り組みたいが、どこから着手すべきか迷っていませんか?

『ゼロからわかる!プレスリリース入門』では、直林が実務で使っている考え方をもとに、
基礎 → 成功の全体像 → 切り口(社会性) → 書き方 → 配信 の順に整理
最初の1本を確実に出すまでを道筋で示します。

取材獲得率80%以上/年間100件相談のスタイルを、初心者でもわかりやすくまとめました。

こんな内容が読めます。(右にある▼をクリックで本の目次が見れます)

第1章:プレスリリースとは?広報の基礎をゼロから理解する
第2章:成功するプレスリリースの全体像
第3章:広報1年生が知っておくべき「社会性」と「切り口」の作り方
第4章:具体例で学ぶプレスリリースの書き方
第5章:記者の目線を意識したリリースの工夫
第6章:プレスリリースをさらに魅力的にするテクニック
第7章:配信とタイミングの重要性


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この記事を書いた人

手書きプレスリリース職人として、テレビ・新聞・Yahoo!ニュース等のメディア取材獲得を支援。年間 200 件以上の PR 相談、取材獲得率 80% 超。経営者向け壁打ち戦略会議 (月額顧問) も提供。

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